研究室紹介



はじめに

 現在、建築物の火災に対する安全性は、主に建築基準法と消防法の2つの法規を遵守することにより確保されている。しかし、これまでこれら法規は、仕様書的規定を主体に基準を定めていたため、近年の建築技術の進歩などにより建築形態の変貌に対応するため、肥大化、複雑化する傾向にある。その結果、設計の自由度を阻害したり、建設コストの増大などの問題を引き起こしてきた。このような問題を解決するために、画一的な仕様書規定を個々の建築物に対応できる合理的な火災安全設計を行えるような性能規定に転換することが、現在進められている。
 このような状況は、日本に限らず諸外国においても同様である。しかし、現在のところ建築物の火災に対する安全性を確認するための基準をすべて使用規定から性能規定へ転換することは不可能である。その理由として、火災分野における性能基準化への研究の蓄積が未だ充分になされていないことがあげられる。
そのような状況において、若松研究室では、性能規定化へ必要となる火災分野の研究を精力的に行っている。

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建築における防災の位置付け

 建築を分類すると、以下の図のように大きく分けて4つ(計画系、構造系、設備系、材料系)に分類できる。防災という分野は、確立されていないのが現状である。しかし、分野として確立されていないが、すべての分野と密接な関係がある。特に、実務においては、その密接な関係は顕著であり、切り離すことはできないといっても過言ではない。例えば、避難計画(計画系)、耐火設計(構造系)、排煙設備、消火設備(設備系)、耐火被覆材(材料系)などといった具合である。

 また、防災の分野では、上図のように、耐火、避難、煙制御、気流性状、燃焼性状、安全性評価等がある。当研究室は、これらに関してほぼ網羅しており、かなり幅広い範囲で研究を行っている。そのため、大学における防災研究の中心的存在となっている。

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防火の現状と今後について

 建築基準法が平成10年(1998年)6月に大改正されたが、その改正の大きな柱の一つとして、「性能規定化」があげられている。この性能規定化の具体的な性能基準、性能の検証方法、適合見なし使用などは政令・告示に定められることになっている。この改正は、法の公布から2年以内に施行される。したがって、平成12年(2000年)6月までに順次、具体的な基準などが政令・告示に定められていく予定である。
 特に、性能評価法を導入することは、防火設計における性能規定化の目玉となる。「工学的な手法を防火設計で初めて一般化するという意味で画期的な出来事」といわれている。
 その性能評価法は「構造耐火性能評価(耐火設計法)」と「避難安全性能評価(避難設計法)」の2種類である。その特徴は、どちらも要求性能「クライテリア」を設定し、それを工学的な手法で検証を行うということである。以下に概略を示す。

 性能規定が現実に機能するためには、示された性能を満たしているかどうかを判定するための試験方法や判定方法が確立され、その試験・判定が容易に行える技術と社会の環境が整備されなければならない。
 このような背景から、当研究室では、性能評価法を確立する上で重要となってくる判定式や計算ツール(例えば、火災性状を予測する計算式、シュミレーションモデル 等)の開発を行っている。またその他、火災の分野に関する様々な研究を行っている。

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